友人と私の商売のはなし

友人は夫婦で自営業を営んでいます。このまえ店に顔を出しに行って、友人とお茶をしながら近況報告をしたのですが。
「ここってお客さん来るの?」
いつ来ても人のいない店内に思わず漏らしてしまったわけです。
「来るよ、来る来る。ただ、来たり来なかったり」
「来たり来なかったり!?ウチ大丈夫?もうかってんの!?」
思わずつっこんでしまいました。友人はへらへらと笑った顔を少し真剣にして、「あー、そうだねえ。この前300万借りたんだけどさあ、ぺろっと使っちゃったな。何に使ったの?って感じで。思ったらこの前、好きなシリーズの新作、ひととおり仕入れたんだよ。それだよ」
「お金を借りる!?」
思わず声を上げた私を責めないであげてほしいです。私はただのOLで、今まで何だか平和にのうのうとやれてきちゃったわけで、金融機関からお金を借りることがありませんでした。特に「融通かきかない」と言われるほど真面目だったのもありますね。お金というのは借りたら最後、返せなくてにっちもさっちもいかないという漫画かドラマのイメージしかないのです。
「へ?大丈夫だよ、銀行からだし。返せばいいんだし」
けろっとした顔で、友人は私の常識をぶちこわしてくださったわけです。
曰く、自営業で銀行からお金を借りるというのは当たり前、商売をするには仕入れて、それをこつこつ売って利益を出すわけだから、仕入れのためのお金がないと商売が成り立たないのよ、だそうで。
ほうほう、と思わず聞き入ってしまいました。世の中には明るい理由でお金を借りることもあるのですね。私は少し常識しらずだったようです。

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